労務情報Blog

人事・労務・社会保険・労働保険・ 福利厚生・雇用・賃金など人事労務担当者の情報掲示板

パートタイム労働者実態調査

平成28年パートタイム労働者総合実態調査の概況

1 就業形態別就労状況 
(1) 就業形態別労働者を雇用している事業所の割合
平成 28 年 10 月1日現在で、「パートを雇用している事業所」の割合は 68.8%、「正社員とパートの両方を雇用している事業所」の割合は 64.0%、「正社員のみ雇用している事業所」の割合は 20.5%となっている。
これを産業別にみると、「パートを雇用している事業所」は「宿泊業,飲食サービス業」が 95.5%と最も高い割合となっており、次いで「医療,福祉」90.6%、「教育,学習支援業」85.9%の順となっている。

(2) 就業形態別労働者の割合
平成 28年 10月1日現在の正社員以外の労働者割合は 37.2%、うちパートの労働者割合は27.4%となっている。
これを男女別にみると、男では「正社員以外の労働者」は 22.6%、うち「パート」は 13.0%、女では「正社員以外の労働者」は 55.0%、うち「パート」は 44.9%となっている。
また、各就業形態の性別の割合をみると、「パート」は男が 25.9%、女が 74.1%となっている。

2 正社員とパートの両方を雇用している事業所における状況
(1) パートを雇用する理由
正社員とパートの両方を雇用している事業所について、パートを雇用する理由(複数回答)をみると、「1日の忙しい時間帯に対処するため」が 41.6%と最も高い割合となっており、次いで「人件費が割安なため(労務コストの効率化)」41.3%、「仕事内容が簡単なため」36.0%の順となっている。

(2) 雇用管理の状況
ア 雇用期間
正社員とパートの両方を雇用している事業所のうち、パートの労働契約の中での「期間の定め有り」事業所は 54.6%、「期間の定め無し」事業所は 45.4%となっている。

(5) 正社員と職務が同じパート等の状況
正社員とパートの両方を雇用している事業所のうち、正社員と職務が同じパートのいる事業所の割合は 15.7%となっている。

(6) 正社員と職務が同じパートの雇用管理の状況
 ア 基本賃金等の支払状況
基本賃金(基本給)
正社員と職務が同じパートについて、基本賃金の支払状況を正社員と比べてみると、「正社員と同様の算定方法(制度・基準)に基づいている」が 16.2%、「正社員の算定方法(制度・基準)とは異なる」が 58.7%となっている。


労災報告怠って会社と作業所長を書類送検

1年以上労災の報告怠る トンネル工事業者を送検 釜石労基署

 岩手・釜石労働基準監督署は、休業4日以上の労働災害が発生したにもかかわらず、遅滞なく労働者死傷病報告書を提出しなかったとして、トンネル工事を中心とする土木工事業を営む横山工業(岐阜県可児市)と同社作業所長を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の容疑で盛岡地検遠野支部に書類送検した。平成28年2月、同社労働者が2カ月以上休業する労働災害が発生していた。

 被災者は釜石市内のトンネル工事現場で、トラックミキサー車を洗車していた際に肋骨骨折、頚椎捻挫などの怪我を負い休業していた。

 同労基署が、情報提供に基づき調査を開始したところ労災の事実が明らかになっている。「社内外の評価を恐れた。怪我の程度も軽いと判断した」などと報告を怠った理由について話しているという。
【平成29年9月8日送検】


タイムカード一斉打刻を黙認で会社と支店長を書類送検

タイムカードを一斉に打刻させる 残業代未払いでトヨタカローラ北越を書類送検
  
 新潟・長岡労働基準監督署は、労働者に時間外労働させたにもかかわらず、時間外手当(残業代)を支払わなかったとして自動車販売・整備業のトヨタカローラ北越(新潟県長岡市)と同社長岡要町店支店長を労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)違反の容疑で新潟地検長岡市部に書類送検した。

 同社は平成27年8〜11月の4カ月間、同支店営業社員14人に対して残業代の一部を支払わなかった。不払い残業代の合計金額は225万6010円。

 送検された支店長は、勤怠管理者が営業社員に対して17〜18時になると強制的にタイムカードを押させていたことを黙認していた。その結果、タイムカード打刻後の残業や早出が常態化し、いわゆるサービス残業状態となっていたものとみられる。

 労働者からの相談により残業代不払いが発覚した。同社は当初「タイムカードに基づいて残業代を支払っている」と供述していたが、調査の過程で実際の労働時間とかけ離れていることが明らかになった。

【平成28年4月20日送検】


「働き方改革法律案要綱」の答申

(1) 労働時間に関する制度の見直し(労働基準法)
・時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定。

※自動車運転業務、建設事業、医師等について、猶予期間を設けた上で規制を適用等の例外あり。研究開発業務について、医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労働の上限規制は適用しない。

・月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する(中小企業における割増賃金率の見直しは平成34年4月1日)。

また、使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする。

・企画業務型裁量労働制の対象業務への「課題解決型の開発提案業務」と「裁量的にPDCAを回す業務」の追加と、高度プロフェッショナル制度の創設等を行う。(企画業務型裁量労働制の業務範囲を明確化・高度プロフェッショナル制度における健康確保措置を強化)

(2) 勤務間インターバル制度の普及促進等(労働時間等設定改善法)
・事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならないこととする。

(3) 産業医・産業保健機能の強化(労働安全衛生法等)    
・事業者から、産業医に対しその業務を適切に行うために必要な情報を提供することとするなど、産業医・産業保健機能の強化を図る。 


求人票の労働条件が原則として雇用契約の内容となる

デイサービスA社事件(京都地判 平成29.3.30 労働判例ジャーナル64号2頁)

求人票記載の労働条件は原則として雇用契約の内容となるとされた例
求人票の内容と異なる労働条件通知書に署名押印した行為が自由な意思に基づいたものではなく、同意があったと認められないとされた例

事件の概要
 整骨院を営んでいた会社が障がい児童の放課後デイサービス事業を営む会社に管理責任者として雇用した従業員が、自己の労働契約が求人票の記載通り期間の定めのないものであり、また、会社による解雇が無効として、地位確認等を求めた事案。
 
 求人票には、契約期間の定めがなかったところ、その後の労働条件通知書では期間の定めがあるとされており、それに従業員も署名押印していたという事情があった。
このことから、求人票に記載された労働条件が締結された労働契約のそれになるかが論点となった。

裁判所の判断
 求人票は、求人者が労働条件を明示した上で求職者の雇用契約締結の申込みを誘引するもので、求職者は、当然に求職票記載の労働条件が雇用契約の内容となることを前提に雇用契約締結の申込みをするのであるから、求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなどの特段の事情のない限り、雇用契約の内容となると解するのが相当である。
 
 原告は、ハローワークで本件求人票を閲覧して被告の面接を受けて採用されたものであるところ、本件求人票には雇用期間の定めはなく、雇用期間の始期は平成26年2月1日とされ、面接でもそれらの点について求人票と異なる旨の話はないまま、被告は原告に採用を通知したのであるから、本件労働契約は、同日を始期とする期間の定めのない契約として成立したものと認められる。

 定年制については、面接では被告代表者から定年制はまだ決めていないという回答がされたものの、本件求人票には定年制なしと記載されていた上、定年制は、その旨の合意をしない限り労働契約の内容とはならないのであるから、求人票の記載と異なり定年制があることを明確にしないまま採用を通知した以上、定年制のない労働契約が成立したと認めるのが相当である。

 使用者が提示した労働条件の変更が賃金や退職金に関するものである場合には、当該変更を受入れる旨の労働者の行為があるとしても、労働者が使用者に使用されてその指揮命令に服すべき立場に置かれており、自らの意思決定の基礎となる情報を収集する能力にも限界があることに照らせば、当該行為をもって直ちに労働者の同意があったものとみるのは相当でなく、当該変更に対する労働者の同意の有無についての判断は慎重にされるべきであり、その同意の有無については、当該行為を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく、当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度、労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも、判断されるべきものと解するのが相当である(山梨県民信用組合事件 最高裁判所第二小法廷平成28年2月19日判決・民集70巻2号123頁参照)。そして、この理は、賃金や退職金と同様の重要な労働条件の変更についても妥当するものと解するのが相当である。

 本件労働条件通知書は、被告代表者がその主要な内容を相応に説明した上で、原告が承諾するとして署名押印したものであるものの、被告代表者が求人票と異なる労働条件とする旨やその理由を明らかにして説明したとは認められず、他方、被告代表者がそれを提示した時点では、原告は既に従前の就業先を退職して被告での就労を開始しており、これを拒否すると仕事が完全になくなり収入が絶たれると考えて署名押印したと認められる。
 これらの事情からすると、本件労働条件通知書に原告が署名押印した行為は、その自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとは認められないから、それによる労働条件の変更について原告の同意があったと認めることはできない。

 以上によれば、原告と被告との労働契約は、期間の定め及び定年制のないものであると認められるところ、被告は、原告を解雇したこと等の本件労働契約の終了事由を何ら主張立証しないから、本件労働契約は現在もなお継続していると認められる。
 
 

固定残業制度の明白区分性

医療法人社団Y事件:最2小判 平成29.7.7

 神奈川県内の民間病院に勤務していた40歳代の男性医師が、未払いの時間外手当の支払いなどを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷は、時間外手当は年俸1700万円に含まれるとした一審、二審判決を破棄し、審理を東京高等裁判所に差し戻した。男性医師と民間病院は、年俸1700万円、週5日勤務で就業時刻は午前8時30分から午後5時30分(昼休憩1時間)、時間外勤務は時間外規定の定めによる、などとする雇用契約を2012年4月1日付で締結。同院では、時間外規定について、時間外割増賃金(時間外手当)の支払対象となる時間外勤務の時間を「勤務日の午後9時以降、翌日の8時30分までの間、および休日に発生する緊急業務に要した時間とする」と規定。ただし、「通常業務の延長とみなされる時間外勤務は時間外手当の対象とならない」としており、雇用契約による就業時刻を終えた午後5時30分から、午後9時の間に勤務した分の時間外手当が年俸に含まれるか否かが争われていた。

判決理由の要旨
 労働基準法37条は、労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまるものと解され、労働者に支払われる基本給や諸手当にあらかじめ含めることにより割増賃金を支払うという方法自体が直ちに同条に反するものではない。

 割増賃金をあらかじめ基本給等に含める方法で支払う場合においては、労働契約の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であり、割増賃金に当たる部分の金額が労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、使用者がその差額を労働者に支払う義務を負うというべきである。

 原告医師と被告病院の間で、時間外手当を年俸1700万円に含める旨の合意がされていたが、このうち時間外手当に当たる部分は明らかにされていなかった。そのため、この合意によっては、年俸のうち時間外手当として支払われた金額を確定することができず、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外手当に当たる部分を判別することができない。従って、医師に対する年俸の支払により、時間外手当が支払われたと言うことはできない。
 病院側が、医師に対し、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として労基法37条などに定められた方法により算定した割増賃金を全て支払ったか否か、付加金を命ずることの適否及びその額などについてさらに審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻す。

原審の判断
 一審の横浜地裁は、「通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外手当に当たる部分とを判別することができないと言わざるを得ない」としながらも、時間外手当が年俸に含まれるとの合意があり、この合意は医師としての職務や責任に照らし合理性があり、原告が自らの労働を裁量で律することができ、年俸が1700万円と好待遇であるため、「年俸に時間外手当が含まれることを否定する理由にはならない」として、時間外手当は年俸に含まれると考えるのが相当とした。東京高裁もこの判断を支持していた。

労働基準法第37条1項 
 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

最高裁における「明白区分性」要件
 時間外労働等の手当が労基法37条に違反するか否かは、合意や規定の効力ではなく、現になされた支払いが問題であり、その支払いが明白区分性の要件を満たしていることが重要である。

 明白区分性は、高知県観光事件(最2小判 平成6.6.13 労判653号12頁)以降、テックジャパン事件(最1小判 平成24.3.8 労判1060号5頁)、国際自動車事件(最3小判 平成29.2.28 労判1152号5頁)で繰り返し確認されてきた。

毎月勤労統計調査 平成29年7月分結果速報

(前年同月と比較して)
・現金給与総額は、一般労働者が0.6%減、パートタイム労働者が0.5%増、パートタイム労働者比率が0.08ポイント低下し、就業形態計では0.3%減となった。

なお、一般労働者の所定内給与は0.3%増、パートタイム労働者の時間当たり給与は2.9%増となった。

・就業形態計の所定外労働時間は0.6%増となった。

・就業形態計の常用雇用は2.8%増となった。

毎月勤労統計調査(厚生労働省)

飲食店店長の管理監督者該当性の判断

P社事件(大分地裁 平成29.3.30)労経速2317号17頁

大手チェーン飲食店店長が管理監督者に該当しないとされた例

事件の概要
 全国展開する弁当チェーンや外食チェーンをはじめとする飲食店の経営を目的とする株式会社で直営店の店長職であった元従業員が時間外労働に対し割増賃金の支払を求めたところ、会社は労基法第41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」に該当することを理由に支払を拒否したため、元従業員が提訴した。

裁判所の判断
 原告の管理監督者該当性について、労基法41条2の管理監督者に該当するか否かは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者であって、労働時間、休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にあるかを、職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇などの実態を踏まえ、総合的に判断すべきである。

ア 職務内容、責任と権限について
 原告は、店長として、クルーの採用等の人事やワークスケジュール表の作成など店舗運営に関する一定の権限を有しているといえるものの、その職務内容、責任と権限に照らしてみると、主体的な関与は乏しく、被告の経営に関わる重要な事項に関与しているとはいい難い

イ 勤務態様について
 原告は、規程上は勤務時間につき自由裁量が認められていたものの、実態とすれば、クルーが不足する場合にその業務に自ら従事しなければならないことにより長時間労働を余儀なくされており、実際には労働時間に関する裁量は限定的なものであり、また、クルーと同様の調理・販売業務に従事する時間が労働時間の相当部分を占めているなど、勤務態様も、労働時間等に対する規制になじまないようなものであったとはいい難い。

ウ 賃金等の待遇について
 原告の年収は、管理監督者ではない社員を含めた全体の平均年収を下回っていること、また、本件請求期間の約2年間において、月300時間を超過する実労働時間となっている月が13回に及んでいるような勤務実態であったことも考慮すれば、厳格な労働時間の規制をしなくとも、その保護に欠けるところがないといえるほどの優遇措置が講じられていたものと認めることは困難である。

以上述べたところによれば、原告は、その職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇などの実態からすれば、労働時間、休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有するとも、現実の勤務態様が労働時間等の規制になじまないような立場にあるともいえないから、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者、すなわち管理監督者に該当するとは認められない。

※弁当チェーン事業の社員は約510名で、各店舗に約17名、全体で約1万7000名のパートタイマー・アルバイト従業員が在籍していたが、このパートタイマー・アルバイト従業員のことを「クルー」と呼んでいる。
 

残業80時間超繰り返しで企業名公表、対象拡大後で初

 厚生労働省愛知労働局は4日、複数の事業所で月80時間を超える残業を繰り返し従業員にさせたなどとして、名古屋市の運送会社「大宝運輸」に是正を指導した。同日中に社名を公表する。公表は2件目で、政府の働き方改革に伴う1月の対象拡大後では初めてのケースとなる。

 厚労省は従来、書類送検した場合に公表していたが、企業に自主的な改善を促すため、平成27年から行政指導段階のものについても公表を開始し、5月に棚卸し業務代⾏会社「エイジス」(千葉市)を公表した。その後、電通の違法残業事件などを受け、従来の「残業が月100時間超」から「残業月80時間超」「過労死、過労自殺の事案を発生させた」などと対象を拡大した。

 これまでの愛知労働局の調べで、大宝運輸では複数の事業所で違法な長時間労働に従事していたことが確認された。愛知労働局長が4日午前、社長を呼び出し、是正を求める指導書を手渡した。

 大宝運輸のホームページなどによると、同社は昭和26年設立で愛知、三重両県に支店を置き、食品などの運送を手掛ける。従業員は正社員、パートを合わせて約千人、29年3月期決算では売上高は88億円に上る。
(共同通信社)


働き方改革実行計画の政府案(平成29年3月28日)

1、非正規の処遇改善(同一労働同一賃金など)
2、賃金引き上げと労働生産性向上
3、長時間労働の是正
4、柔軟な働き方がしやすい環境整備
5、病気の治療、子育て・介護等と仕事の両立、障碍者就労の推進
6、外国人材の受入れ
7、女性・若者が活躍しやすい環境整備
8、雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、格差を固定させない教育の充実
9、高齢者の就業促進

健康保険証に「通称名」 性同一性障害の加入者

 厚生労働省は31日、性同一性障害と診断された人の健康保険証について、日常で使う「通称名」の記載を認めることを都道府県や公的医療保険の運営者に通知した。昨年7月に国民健康保険の保険証では通称名の記載を認めていたが、会社員向けの健康保険組合や協会けんぽ、75歳以上が入る後期高齢者医療の保険証でも取り扱いを統一した。
 性同一性障害では、医療機関の窓口で、見た目の性とは異なる名前で呼ばれて起こるトラブルもあり、当事者の精神的苦痛などに配慮した。

 保険証を本人確認書類として利用できるよう、表面に通称名を載せた上で、裏面に戸籍上の氏名を併記することなどが条件。




「三六協定」の監督強化 「労働者代表」見極めへ

 沖縄労働局は、時間外労働(残業)をさせるのに必要な労使間の労使協定、いわゆる「三六(さぶろく)協定」について県内企業の締結実態の監督指導を強化する。協定届け出時に使用者と協定締結の相手方として法で規定されている「労働者の代表」が適正かどうか詳しく調べる。「代表」が過半数を代表しているかや民主的手法で選ばれたかを精査する

 三六協定は、使用者と「労働者の代表」の連名で届け出がなされる。「労働者の代表」とは、労働者の過半数で組織する労働組合か、組合がない場合は過半数を代表する者でなければならない。マネジャーや店長など監督・管理の地位にある従業員はなれない。民主的な方法で選出された者ではなく、使用者が恣意(しい)的に選んだ場合も無効になる。

 三六協定の届出書はこれまで、使用者と労働者の代表の名前が記載されているかや、協定記載の残業時間数が法定の延長時間の限度を超えていないかなど、主に形式上のポイントがチェックされてきた。

 今後は、協定に記載の「労働者の代表」が本当に過半数を代表しているか、民主的に選ばれているか、などについて具体的に聞き取りを行い、適切性を確かめていく。



労基法32条の1日の労働(2暦日にまたがる勤務の場合)

無洲事件(東京地裁 平 28.5.30 判決)労働判例 1149号

 食堂(社員寮)の調理師のシフトが暦日を別にしているが近接している場合に、2暦日の勤務を始業時刻の属する日の労働として 1 日の労働とするとまでは認めることができないとされた例

 原告は、食堂の委託業務を行うY社が業務委託された社員寮の食堂で調理師として次の勤務シフトで勤務していた。
(ア)前期(平成 25 年 8 月まで)
(B シフト)勤務時間 午前 10 時〜翌日午前 0 時(14 時間)
      休憩時間 仝畍 1 時〜午後 4 時(3 時間)
                   午後 9 時〜午後 10 時(1 時間)
                        実労働時間 10 時間
(A シフト)
      勤務時間 午前 4 時〜午後 4 時(12 時間)
      休憩時間 仝畫 9 時〜午前 10 時(1 時間)
                午後 1 時〜午後 2 時(1 時間)
                        実労働時間 10 時間
(イ)後期(平成 25 年 9 月以降)
(A シフト)
      勤務時間 午前 12 時〜翌日午前 0 時(12 時間)
      休憩時間 仝畍 1 時〜午後 2 時(1 時間)
                   午後 9 時〜午後 10 時(1 時間)
                       実労働時間 10 時間
(B シフト)
      勤務時間 午前 4 時〜午後 4 時(12 時間)
      休憩時間 仝畫 9 時〜午前 10 時(1 時間)
                午後 1 時〜午後 2 時(1 時間)
                        実労働時間 10 時間
 
裁判所の判断
]基法第 32 条第 2 項の「1 日」とは暦日を指すものと解されるところ、確かに、暦日を異にする場合でも、継続した 1 勤務が 2 暦日にまたがる場合には、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として当該 1 日の労働とするものと解するのが相当と考えられる場合がある(昭和 63 年 1 月 1 日基発 1 号参照)。

各シフトの始業時刻及び終業時刻を前提とすると、本件の先行するシフトは午前 0 時に終了し、後行するシフトは午前 4 時から開始するから、シフトとシフトとの間には 4 時間の間隔がある。当該 4 時間について、被告が原告に対し、施設内にとどまり、待機するよう指示していたことを認めるに足りる証拠はなく、原告においても、シフトとシフトの間の時間は 1 勤務の中の休憩時間であると主張しているのであるから、シフトとシフトとの間の時間が、労働から解放された時間であったこと自体については争いがない。仮眠設備があったとしても、原告において、当該仮眠設備を利用して宿泊しなければならない義務があったわけではなく、当該時間が深夜の時間帯であり、事実上、自宅への公共交通機関がないというだけでは、被告の拘束のもとにある時間(拘束時間)であったと認めることはできない。

実際の労働時間を考慮しても、第一日目のシフトと第二日目のシフトとの間には、約 3 時間半程度の労働から完全に解放された時間があったということができる。そうすると、第一日目のシフトに係る業務終了後、約 3 時間半(シフト上は 4 時間)の中断を経た後開始する第二日目のシフトに係る勤務が、第一日目の勤務と連続した 1 暦日の勤務であるとまでは認めることはできない(なお、第一日目のシフトの所定の終業時刻である午前 0 時から連続して日をまたいで行われた労働部分については、これが中断するまでは第一日目の勤務と連続した 1 勤務として認める。)。


労働基準法(労働時間)
第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

 なお、本件では36協定(時間外労働・休⽇労働に関する協定)は存在せず、変形労働時間制の主張もないため、労基法13条により、契約およびシフトで1日8時間を超える労働時間を定めた部分は無効となり、1日8時間を超過した時間は時間外労働と認定されている。

労働基準法(この法律違反の契約)
第13条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。



健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱い

  賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもののうち、臨時に受けるもの及び三か月を超える期間ごとに受けるもの以外のものは、標準報酬月額に係る報酬とされているが、この取扱いについて左記のとおり定めたので遺憾のないよう取り計らわれたい。

1 報酬の範囲
 (1) 毎年七月一日現在における賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもので毎月支給されるもの(以下「通常の報酬」という。)以外のもの(以下「賞与」という。)の支給実態がつぎのいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当すること。
  ア 賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定(以下「諸規定」という。)によつて年間を通じ四回以上の支給につき客観的に定められているとき
  イ 賞与の支給が七月一日前の一年間を通じ四回以上行われているとき。
      したがつて、賞与の支給回数が、当該年の七月二日以降新たに年間を通じて四回以上又は四回未満に変更された場合においても、次期標準報酬月額の定時決定(七月、八月又は九月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、報酬に係る当該賞与の取扱いは変らないものであること。
 (2) 賞与の支給回数の算定は、次により行うこと。
   ア 名称は異なつても同一性質を有すると認められるもの毎に判別すること。
   イ 例外的に賞与が分割支給された場合は、分割分をまとめて一回として算定すること。
   ウ 当該年に限り支給されたことが明らかな賞与については、支給回数に算入しないこと。

2 賞与に係る報酬額の算定
 (1) 賞与に係る報酬額は、標準報酬月額の定時決定又は七月、八月若しくは九月の随時改定の際、次により算定すること。
   ア 七月一日前の一年間に受けた賞与の額を一二で除して得た額
  イ 七月一日以前一年内に諸規定により賞与の支給回数が変更され、新たに当該賞与が報酬に該当したときは、変更後の諸規定による賞与の支給回数等の支給条件であつたとすれば同日前一年間に受けたであろう賞与の額を算定し、その額を一二で除して得た額
 (2) 1の(1)に該当する事業所に使用される者の資格取得時における賞与に係る報酬額は、当該事業所において、同様の業務に従事し、同様の賞与を受ける者の賞与に係る報酬の平均額とすること。
 (3) 賞与に係る報酬の額に変動があつても、当該変動に基づく随時改定は行わないこと。
       また、通常の報酬に著しい変動があり、随時改定(七月、八月又は九月の随時改定を除く。)を行う場合は、新たに賞与に係る報酬の額を算定することなく(1)又は(2)に基づき算定した賞与に係る報酬の額を変更後の通常の報酬の額に加算すること。

健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて
(昭和53年6月20日:保発47号、庁保発21号)
(平成15年2月25日:保発0225004号、庁保発2号)

宴席で女子高生に接客させた疑い、男女2人逮捕(危険有害業務の就業制限)

 神奈川県箱根町の温泉宿の宴席で女子高校生らに接客をさせたとして、神奈川県警が30日、同県小田原市のコンパニオン派遣会社「ビースト・エンタープライズ」を経営する男(72)と女(62)の両容疑者を労働基準法(危険有害業務の就業制限)違反容疑で逮捕した。

 捜査関係者によると、両容疑者は今年4月、箱根の温泉ホテルに、当時16歳の女子高校生と同17歳の無職少女をコンパニオンとして計3回派遣し、酒の接待などをさせた疑い。高校生らは「短時間で稼げるいいアルバイトだった」と話し、1日約1万円以上をもらっていたという。


労働基準法
第六十二条 (危険有害業務の就業制限) 
2  使用者は、満十八才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない

企業の45.4%で正社員不足、過去最高を更新

 帝国データバンクの人手不足に対する企業の見解についての調査によると、

1 企業の45.4%で正社員が不足していると回答、6カ月前(2017年1月)から1.5ポイント増、1年前(2016年7月)から7.5ポイント増加した。正社員の人手不足は、2006年5月の調査開始以降で過去最高を更新した。業種別では「情報サービス」が69.7%と7割近くに達し、トップとなった。以下、「家電・情報機器小売」や「放送」「運輸・倉庫」が6割以上となったほか、「建設」など10業種が5割以上となった。

2 非正社員では企業の29.4%が不足していると感じている。6カ月前からは0.1ポイント減少したが、1年前からは4.5ポイント増加した。業種別では「飲食店」「電気・ガス・水道・熱供給」「各種商品小売」などで高い。上位10業種中7業種が小売や個人向けサービスとなり、消費者と直接的に接する機会の多い業種で人手不足の割合が高い。


■調査期間は2017年7月18日〜31日、調査対象は全国2万3,767社で、有効回答企業数は1万93社(回答率42.5%)

長時間労働是正の監督体制を強化 監督官100人増員

 政府は、長時間労働や賃金未払いなどを調べる労働基準監督官を来年度、100人増員する方針を固めた。働き方改革の一環として罰則付きの残業規制を設ける方針で、違法な長時間労働の取り締まりに向け体制を強化する。

 2016年度末の労働基準監督官の定員は計3241人で、17年度も50人増員していた。
全国の事業所は400万カ所超で、監督を実施するのは毎年全体の3%程度にとどまり、慢性的な人員不足が指摘されている。

 違法な長時間労働のの取締りに向け監督体制を強化し、最長で「月100時間未満」などとされる残業時間の上限規制が導入されれば、企業に対してよりきめ細かい監督や指導が求められる。
厚生労働省は2018年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む方針。

有期雇用契約の更新に上限年齢を定めた規則

日本郵便(期間雇用社員ら・雇止め)事件(東京高裁 平 28.10.5 判決)

事案の概要
 郵便業務を行う会社と有期雇用契約を締結していた従業員らが、満65歳に達した段階で会社から雇止めをされたことを受け、雇止めが解雇権濫用法理の類推適用により無効であることを主張し、原審(東京地裁 平27.7.17)は、雇止めの有効性を認め、請求を全て棄却したが、これを不服として従業員らが控訴した控訴審。

一定の年齢を基準として雇用契約を更新しないとする旨の定めを就業規則に置くことについて、その必要性と合理性が認められた例

原審
 高齢となった期間雇用社員について、個別に、加齢による業務遂行能力の低下の有無を判断し、対応をとることについては、能力低下の実質的判断が必ずしも容易でない以上、適時適切な対応を取り損なう恐れや、紛議に伴うコストという問題もあり、その観点からは、事故発生の懸念が現実化する危険とのバランスを考慮すると、一律に一定の年齢を基準として雇用契約を更新しないとする旨の定めを就業規則に置くことについて、なおその必要性と合理性が認められるというべきである。

裁判所の判断
高齢者雇用安定法9条は、期間の定めのない労働者について定年制の定めをしている事業主を対象にしているものであり、本件上限規則のように有期雇用労働者について期間の更新を一定年齢に達した場合にしないとの定めを直接に規律するものとはいえない。もっとも、有期雇用労働者の中でも反復継続して契約の更新がされている場合などにおいては、期間の定めのない労働者と同条の適用において異ならないと解する余地もあり、その場合には、上記のような定めは、同条にいう定年制の定めに当たるとして、65歳までの雇用確保措置を義務付けている同条の定めの適用を受けるとも考えられるところであるが、そのような場合でも、同条は65歳以上の者についての雇用の確保までは義務付けていないのであり、その限りで同条を本件上限規則及び本件上限規約が公序良俗に違反しないことの論拠とすることはできるというべきである。

⊂絽袖則の合理性とは、本件上限規則が制度自体として合理性を備えているか否かという問題であるところ、まず、有期雇用労働者の期間の更新について何らかの事由(例えば更新の回数や期間など)を理由に更新をしないものとあらかじめ就業規則に定めること自体が許されないということはできない。このような定めは、会社の経営判断に基づき置かれるものであり、その内容が違法なものであったり、労働者の権利、利益を不当に制限するものであるとの事情がない限り、合理性を肯定することができる。

仮に本件上限規則のような定めを置かずに、更新拒絶の合理性、相当性があるときにのみ更新を拒絶するとの制度枠組みを設けた場合には、幾ら多くの管理者により期間雇用社員の能力の評価をしているといっても、その実質的判断が必ずしも容易でないことに変わりはなく、紛議の発生も不可避といえる。その紛議は、被控訴人が期間雇用社員の能力評価を誤った場合にも生じ得るが、期間雇用社員が自己の能力を適正に評価していない場合にも生じ得るもので、いずれにしろ、当然に被控訴人がそのコストを負担すべきものということはできず、また、紛議に伴うコストを無視することも相当とはいえない。そうすると、本件規則10条1項による雇止めに代わる措置を採用する必要性及び合理性があったと認めることができ、その措置として、一定の年齢を基準として一律に雇止めをするということも、その年齢が不合理に低いものでない限り、被控訴人の経営判断として必要性及び合理性を否定することはできない。

ぞ絽袖則で年齢を65歳と定めることについては、もとより65歳になれば当然に業務遂行能力が低下するというものではなく、むしろ、被控訴人の期間雇用社員として必要な能力をなお維持している者が一般的であることはうかがえるが、65歳という年齢は、老齢基礎年金の受給開始年齢であるとともに、高齢者雇用安定法9条で定年引上げ等による雇用確保が求められている年齢、逆にいえば、これ以上の年齢の者についての雇用が法的な要請とはされていない年齢である。

中小企業の賃上げ4,586円・1.81%

経団連2017年春季労使交渉における中小企業業種別妥結結果

調査対象:従業員数500人未満17業種741社:有効回答478社
妥結額:加重平均4,586円、1.81%

経団連最終集計

パワーハラスメント対策導入マニュアル


1. はじめに 
1.1. 職場のパワーハラスメントの現状と本マニュアルの目的
2. パワーハラスメント対策の導入に当たって
2.1. パワーハラスメントに関する経営トップと事務局の理解
2.2. パワーハラスメント対策の基本的枠組みの構築手順
3. 本マニュアルを活用した取組の実施
3.1. トップのメッセージ
3.2. ルールを決める
3.3. 実態を把握する
3.4. 教育する
3.5. 周知する
3.6. 相談や解決の場を提供する
3.7. 再発防止のための取組
4. パワーハラスメント対策の取組の継続
4.1. 持続した取組にしていくために

<参考資料>
参考資料 1 トップのメッセージ
参考資料 2 アンケート実施マニュアル
参考資料 3 管理職向け研修資料
参考資料 4 従業員向け研修資料
参考資料 5 管理職向け自習用テキスト
参考資料 6 従業員向け自習用テキスト
参考資料 7 周知用ポスター
参考資料 8 周知用手持ちカード
参考資料 9 パワーハラスメント社内相談窓口の設置と運用のポイント
参考資料 10 相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト
参考資料 11 パワーハラスメント相談記録票

パワーハラスメント対策導入マニュアル(厚生労働省)

歩合給から残業手当控除を肯定

タクシー歩合給残業代裁判 (最高裁 平成29.2.28)高裁へ差し戻し

 タクシー乗務員として勤務していた被上告人らが、歩合給の計算に当たり残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める上告人の賃金規則上の定めが無効であり、控除された残業手当等に相当する金額の賃金の支払義務を負うと主張して、未払賃金等の支払を求める事案

タクシー乗務員の歩合給から残業手当を控除する計算が公序良俗に反し、無効であると解することはできないとされた例 


裁判所の判断
労働基準法37条は、時間外、休日及び深夜の割増賃金の支払義務を定めているところ、割増賃金の算定方法は、同条並びに政令及び厚生労働省令に具体的に定められている。もっとも、同条は、労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまり労働契約における割増賃金の定めを労働基準法37条等に定められた算定方法と同一のものとし、これに基づいて割増賃金を支払うことを義務付けるものとは解されない。

∋藩兌圓、時間外労働等の対価として労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったとすることができるか否かを判断するには、労働契約における賃金の定めにつき、それが通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とに判別することができるか否かを検討した上で、そのような判別をすることができる場合に、割増賃金として支払われた金額が、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として、労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討すべきであり、上記割増賃金として支払われた金額が労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、使用者がその差額を労働者に支払う義務を負うというべきである。

労働基準法37条は、労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定めるかについて特に規定をしていないことに鑑みると、労働契約において売上高等の一定割合に相当する金額から同条に定める割増賃金に相当する額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨が定められていた場合に、当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得るものの、当該定めが当然に同条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し,無効であると解することはできないというべきである。

じ郷海蓮∨楫鏥定のうち歩合給の計算に当たり対象額Aから割増金に相当する額を控除している部分が労働基準法37条の趣旨に反し、公序良俗に反し無効であると判断するのみで、本件賃金規則における賃金の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否か、また、そのような判別をすることができる場合に、本件賃金規則に基づいて割増賃金として支払われた金額が労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かについて審理判断することなく、被上告人らの未払賃金の請求を一部認容すべきとしたものである。そうすると、原審の判断には、割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った結果、上記の点について審理を尽くさなかった違法があるといわざるを得ない。

ジ郷海蓮∋間外労働等のうち法内時間外労働や法定外休日労働に当たる部分とそれ以外の部分とを区別していない。しかし、労働基準法37条は、使用者に対し、法内時間外労働や法定外休日労働に対する割増賃金を支払う義務を課しておらず、使用者がこのような労働の対価として割増賃金を支払う義務を負うか否かは専ら労働契約の定めに委ねられているものと解されるから、被上告人らに割増賃金として支払われた金額が労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かについて審理判断するに当たっては、被上告人らの時間外労働等のうち法内時間外労働や法定外休日労働に当たる部分とそれ以外の部分とを区別する必要があるというべきである。


原審
 本件規定のうち,歩合給の計算に当たり対象額Aから割増金に相当する額を控除する部分は無効であり、対象額Aから割増金に相当する額を控除することなく歩合給を計算すべきであるとした上で、被上告人らの未払賃金の請求を一部認容すべきものとした。その判断の要旨は,次のとおりである。
(1) 本件賃金規則は,所定労働日と休日のそれぞれについて、揚高から一定の控除額を差し引いたものに一定割合を乗じ、これらを足し合わせたものを対象額Aとした上で、時間外労働等に対し、これを基準として計算した額の割増金を支払うものである。ところが、本件規定は、歩合給の計算に当たり、対象額Aから割増金及び交通費に相当する額を控除するものとしている。これによれば、割増金と交通費の合計額が対象額Aを上回る場合を別にして、揚高が同額である限り、時間外労働等をしていた場合もしていなかった場合も乗務員に支払われる賃金は同額になるから、本件規定は、労働基準法37条の規制を潜脱するものである。同条の規定は強行法規であり、これに反する合意は当然に無効となる上、同条の規定に違反した者には刑事罰が科せられることからすれば、本件規定のうち、歩合給の計算に当たり対象額Aから割増金に相当する額を控除している部分は、同条の趣旨に反し、ひいては公序良俗に反するものとして無効である。
(2) 本件規定が対象額Aから控除するものとしている割増金の中には,法定外休日労働に係る公出手当が含まれており,また,労働契約に定められた労働時間を超過するものの労働基準法に定める労働時間の制限を超過しない時間外労働に係る残業手当が含まれている可能性もあるが,本件規定は,これらを他と区別せず一律に控除の対象としているから,これらを含めた割増金に相当する額の控除を規定する割増金の控除部分全体が無効になる。

賃金規則
(ア) 割増金及び歩合給を求めるための対象額(以下「対象額A」という。)を,次のとおり算出する。
対象額A=(所定内揚高−所定内基礎控除額)×0.53+(公出揚高−公出基礎控除額)×0.62
(イ) 所定内基礎控除額は,所定就労日の1乗務の控除額(平日は原則として2万9000円,土曜日は1万6300円,日曜祝日は1万3200円)に,平日,土曜日及び日曜祝日の各乗務日数を乗じた額とする。また,公出基礎控除額は,公出(所定乗務日数を超える出勤)の1乗務の控除額(平日は原則として2万4100円,土曜日は1万1300円,日曜祝日は8200円)を用いて,所定内基礎控除額と同様に算出した額とする。
(ウ) 深夜手当は,次の,鉢△旅膩彝曚箸垢襦
{(基本給+服務手当)÷(出勤日数×15.5時間)}×0.25×深夜労働時間
◆並仂欒曖繊狒輜働時間)×0.25×深夜労働時間
(エ) 残業手当は,次の,鉢△旅膩彝曚箸垢襦
{(基本給+服務手当)÷(出勤日数×15.5時間)}×1.25×残業時間
◆並仂欒曖繊狒輜働時間)×0.25×残業時間
(オ)1、公出手当のうち,法定外休日(労働基準法において使用者が労働者に付与することが義務付けられている休日以外の労働契約に定められた休日)労働分は,次の,鉢△旅膩彝曚箸垢襦
{(基本給+服務手当)÷(出勤日数×15.5時間)}×0.25×休日労働時間
◆並仂欒曖繊狒輜働時間)×0.25×休日労働時間
  2、公出手当のうち,法定休日労働分は,次の,鉢△旅膩彝曚箸垢襦
{(基本給+服務手当)÷(出勤日数×15.5時間)}×0.35×休日労働時間
◆並仂欒曖繊狒輜働時間)×0.35×休日労働時間
(カ)歩合給(1)は,次のとおりとする(以下,この定めを「本件規定」という。)。なお,本件賃金規則には,従前支給していた賞与に代えて支払う賃金として,歩合給(2)が定められている。
対象額A−{割増金(深夜手当,残業手当及び公出手当の合計)+交通費}

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