厚生労働省は、労災保険未手続き事業を一掃するため、今年10月から未手続き事業に対する費用徴収を4割から全額徴収に強化する方針を決めた。

 

 労働者災害補償保険では、労働基準監督署などの指導を受けたにもかかわらず、事業主が保険加入をしていなかった場合や保険料の滞納中に事故が発生した場合には、保険給付に要した額の全部または一部を徴収することができるとされており、法律上は全額徴収が可能だが、実際の運用は、行政解釈により、保険給付額の4割を徴収するにとどまっている。

 

 しかし、労災保険の手続きを行っている事業場との公平性が保たれていないとの指摘を受けていた。

 

 また、届出の指導を受けていなかった場合でも、相当期間にわたり届出を怠っていた事業場で労災事故が発生した場合には、保険給付額の4割を徴収することになる。

 

 この場合の相当期間については、1年〜3年程度の範囲とする方向で検討されている。