岐阜県土岐市の女性(45)が、日曜日に自宅から単身赴任先の家へ戻る途中の夫(当時41)の事故死を通勤災害と認めなかった高山労働基準監督署長の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、岐阜地裁は21日「週末帰宅型通勤」に当たるなどとして請求を認め、同労基署長の遺族給付金不支給処分の決定を取り消した。

 

 筏津順子裁判長は判決理由で、単身赴任の夫が勤務のため家族がいる自宅から赴任先の家へ戻ることは「社会通念上、就業との関連性が認められ、通勤の要件を満たしている。赴任先までの移動が最短約3時間半かかることを考慮すると、通常は勤務日の前日に移動する」との判断を示した。
 原告側弁護士は「単身赴任宅へ戻る際、遭遇した事故を通勤災害とし、労災保険の対象とする労災補償保険法改正案を先取りした判決」と評価。同労基署は「判決文を精読してから対応を検討する」としている。〔共同〕 (10:05)