「労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針」では、事業主が労働者の募集及び採用に当たって講ずべき措置として、労働者の年齢を理由として、募集又は採用の対象から当該労働者を排除しないことを努力義務としている。

 また、指針では例外的に年齢制限が認められる場合として、以下を例示している。
 
1.長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、新規学卒者等である特定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
2.企業の事業活動の継続や技能、ノウハウ等の継承の観点から、労働者数か最も少ない年齢層の労働者を補充する必要がある状態等当該企業における労働者の年齢構成を維持・回復させるために特に必要があると認められる状態において、特定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
3.定年年齢又は継続雇用の最高雇用年齢と、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要とされる期間又は当該業務に係る職業能力を形成するために必要とされる期間とを考慮して、特定の年齢以下の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
4.事業主が募集及び採用に当たり条件として提示する賃金額を採用した者の年齢にかかわりなく支払うこととするためには、年齢を主要な要素として賃金額を定めている就業規則との関係から、既に働いている労働者の賃金額に変更を生じさせることとなる就業規則の変更が必要となる状態において、特定の年齢以下の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
5.特定の年齢層を対象とした商品の販売やサービスの提供等を行う業務について、当該年齢層の顧客等との関係で当該業務の円滑な遂行を図る必要から、特定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
6.芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から、特定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
7.労働災害の発生状況等から、労働災害の防止や安全性の確保について時に考慮する必要があるとされる業務について、特定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合
 
8.体力、視力等加齢に伴いその機能が低下するものに関して、採用後の勤務期間等の関係からその機能が一定水準以上であることが業務の円滑な遂行に不可欠であるとされる当該業務について、特定の年齢以下の労働者について募集及び採用を行う場合
 
9.行政機関による指導、勧奨等に応じる等行政機関の施策を踏まえて中高年齢者に限定して募集及び採用を行う場合
 
10.労働基準法(昭和22年法律第49号)等の法令の規定により、特定の年齢層の労働者の就業等か禁止又は制限されている業務について、当該禁止又は制限されている年齢層の労働者を除いて募集及び採用を行う場合