厚生労働省は最低取得単位が原則1日とされている年次有給休暇制度について、時間単位で取得できるようにする検討に入った。厳しい雇用環境を背景に有給休暇の取得率が落ち込んでいたが、厚労省は取得単位を細かくして同制度を活用しやすくする。雇用形態の多様化などに対応する狙いもある。2007年の通常国会で関連法を改正し、早ければ08年にも新基準を導入したい考えだ。

NIKKEI NET:2005.11.14

NIKKEI NET:IT-PLUS:有給消化率は半分

 厚労省が有給休暇制度の改定に着手するのは、過去数年の同休暇の取得率低下が背景。雇用環境の悪化がその理由とみられており、同省の調査によると、有給休暇取得率(1人平均の取得日数を企業が与えた平均日数で割った値)は03年までの10年間で9ポイント近く下落した。取得できる権利は2年後に消滅する。  (07:00)

 ただ、企業が実質的に時間単位の取得を強要するような事態になれば、1日単位での休暇が取りにくくなるなどの副作用が出る可能性もある。本当は丸1日休みたい社員に対し、数時間の休みを何回かに分けて取るよう会社側が誘導するといったことが考えられる。そのため、厚労省は、時間単位の取得に上限を設けることなども検討する。

 現在、国家公務員は1日単位だけでなく時間ごとの有給休暇取得も可能となっている。