「店長」は残業代のつかない管理職かどうかを巡り、日本マクドナルドと店長らが争っている問題で、埼玉県の直営店の現職店長高野広志さん(44)が22日、過去2年間の未払い残業代785万円の支払いや、長時間労働で健康を害した慰謝料などを求め東京地裁に提訴した。高野さんの代理人は「店長といっても実態はシフトに入るなど、残業代を支払わなくていい管理職ではない」とし、職場環境の改善を訴えた。

asahi.com: 2005年12月22日20時39分

 労働基準法などでは、管理職は経営者と一体的な立場にあり、権限や裁量が大きいことから、労働時間規制の適用外となっている。同社は今年8月、アルバイトらの残業代の算出に誤りがあったとし、過去2年分の未払い賃金計22億円の支払いを決めたが、店長は管理職であることを理由に対象外とした。

 東京管理職ユニオンなどによると、高野さんは99年に店長に昇格。店舗の掛け持ちなどで残業は月100時間を超えたが、残業代が支払われないため年収は下がったという。同ユニオンは「飲食業界では、労基法の適用外として、残業のかからない『店長』が過労の温床となり、使い捨てられている」と指摘した。