国民年金保険料の免除・猶予申請を社会保険事務所が本人の申請がないまま手続きしていた問題で、川崎厚労相は23日、管内16の社会保険事務所で計3万7000人分の不正手続きを行っていた大阪社会保険事務局の菅原昭局長を更迭するよう社会保険庁に指示した。各地で明らかになった不正のうち大阪の人数は突出しており、国民年金に対する信頼感を失墜させた責任は重いと判断したとみられる。具体的な処分は今後検討する。

asahi.com:2006年05月23日23時42分

 同様の不正は、22日に判明した大阪、長崎、東京に、3月に京都で明らかになった分を加え、計4万7344人分が明らかになっている。中でも、大阪管内では21の事務所のうち16カ所で行われ、不正が組織的に行われていた可能性がある。

 また、京都のケースが発覚した後、社保庁が全国の事務局に同様のケースがないかどうかを照会した際には「該当なし」と虚偽の回答をしていた。大阪社会保険事務局長は、大阪府内の21の社会保険事務所を統括する立場にあり、監督責任を問うことが不可避と判断した。

 不正手続きの結果、大阪事務局管内の今年3月末時点の納付率は、実際よりも1.7ポイント高い59.6%となっていた。