労働保険審査会(東京都港区)が労災認定の審査請求から6年以上も結論を出さないのは行政の不作為に当たるとして、東京都内の50代の女性が13日、国を相手取り、同会の違法行為の確認を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告代理人によると、同会の違法行為確認訴訟は全国初。
 労災認定は各労働基準監督署、都道府県にある労働局の労働者災害補償保険審査官、全国唯一の労働保険審査会の順番で計3回審査を受けることができる。

Sankei Web:06/13 20:30
 訴えによると、女性の夫=当時(47)=は平成7年、勤務先のパリで死亡。女性は12年4月、労災と認めなかった決定を不服として審査会に再審査を申請したが、今も結論が出ていない。

 労災認定の決定を出すまでの期間として、厚生労働省は労基署で半年、審査官で3カ月との目安を定めているが、審査会については規定がない。

 労働保険審査会によると、17年度末現在の未処理案件は1193件で、5年度末の644件から倍増。同会は9人の審査委員と15人の事務官で案件を処理しており、「申請件数が多いのでたまってしまう」と時間がかかる理由を説明している。