共同通信によると、NTTグループが 2002 年に実施した 10 万人規模のリストラに関連し、子会社への転籍拒否を理由に遠隔地へ配転したのは違法として北海道内の NTT 東日本社員ら5人(うち4人退職)が一人当たり 300 万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は 29 日、配転は違法と認め同社に総額 300 万円の支払いを命じた。内訳は道外に配転された一人に 100 万円、道内転勤の四人にそれぞれ 50 万円ずつ。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構/メールマガジン労働情報/判例:9 月 29 日
笠井勝彦裁判長は「配転は業務上の必要性はなく、人事権の乱用」と指摘した。一方で、リストラについては「合理性のある経営判断」として違法性を否定し、リストラを拒否した見せしめの配転という原告の主張も退けた。

02 年のリストラをめぐる裁判は全国7地裁で起こされており、昨年8月に名古屋地裁(福岡分を併合)で和解が成立。東京、静岡、大阪、松山の各地裁で係争中で、初めての判決となった。

判決によると、NTT は 2002 年5月、保守点検や電話案内などに従事していた 51 歳以上の一部社員をいったん退職させ、賃金が 30 〜 15 %低くなる地域子会社に転籍させるリストラを実施。転籍に応じなかった社員は全国転勤がある雇用形態を選んだとみなされた。道内で札幌と小樽に勤務していた原告は一人が東京、4人が函館や釧路など道内の遠隔地に配転された。