大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市)は、製造現場で働く派遣労働者約1000人を4月から契約社員として直接雇用に切り替えることを決めた。

 昨年2月、クボタの一部工場について、所管の労働局から「就労実態は派遣であり、『偽装請負』にあたる」と指摘されたうえ、農業機器部品を製造する関連会社(堺市)も今年1月、同様の問題を指摘され、是正指導されたのがきっかけ。

 間接雇用と直接雇用の格差への注目が高まる中、製造現場でこれほど大規模な直接雇用への切り替えが行われるのは異例だ。

読売新聞:2007年2月21日14時33分

 クボタは、昨年2月に一部工場の就労実態が「偽装請負」と指摘されたのを受け、同年10月、請負契約で作業をさせていた職場の大部分を派遣契約に変更した。

 堺市の関連会社も同時期に同様の変更を行ったが、同社は今年1月、変更以前の請負労働者の使用状況について、大阪労働局から偽装請負と指摘された。労働 者派遣法では、製造業の派遣労働者の受け入れは最長1年で、偽装請負が過去にあった場合、その間も派遣期間に含む。このため同社は、すでに派遣労働者の受 け入れ期限を超えていることになり、指摘を受けた際、派遣契約を解除することも求められた。

 一連の経緯を受け、クボタは対応を再検討。請負から派遣に変更するだけでは法的な問題が完全に解消できないと判断し、原則、派遣受け入れをやめることとした。関連会社も同様に契約社員化を図る。