システムエンジニアの次男が急性アルコール中毒で死亡したのは過労が原因として、さいたま市の両親がソフトウエア開発会社フォーカスシステムズ(東京)に1億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日、約5,960万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を変更、約4,380万円に減額した。

斎藤隆裁判長は一審同様、月100時間を超える時間外労働や配置転換で心理的負荷が過度に蓄積、うつ病などを発症して大量に飲酒したと判断。「上司らは長時間労働を把握していたのに適切な措置を取らなかった」と会社の責任を認めた。

一方、「睡眠不足の解消に努めるべきだったのにブログやゲームに時間を費やした」として過失相殺の割合を増やした。

判決によると、25歳だった次男は2006年9月、無断欠勤して京都市の鴨川沿いでウイスキーなどを飲んで死亡。中央労働基準監督署は07年10月に労災認定した。

(共同通信)
2012年3月22日