大阪市生野区で今年2月、歩道にショベルカーが突っ込み、児童ら5人が死傷した事故で、元建設会社員の佐野拓哉容疑者(35)=自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で送検=が過去に、てんかんの発作とみられる症状で事故を起こしていたことが分かった。勤務先がこうした実態を把握しながら適切な労務管理を怠った疑いがあり、大阪府警は管理責任者らについて業務上過失致死傷容疑での立件を検討している。

 事故は2月1日、生野区の交差点でショベルカーが歩道に突っ込み、近くの府立生野聴覚支援学校に通う井出安優香(あゆか)さん(11)が死亡し、他の児童2人と教諭2人も重傷を負った。

 2015年11月、てんかんの持病を隠して運転免許証を更新し、日常的にトラックやショベルカーの運転を続けていた。昨年には大阪市内の工事現場に向かう途中で物損事故を起こしたが、記憶があいまいな様子だったという。

 府警は佐野容疑者の勤務先の家宅捜索で、こうした事情を把握している模様で、労務管理の実態を詳しく調べている。