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男女雇用機会均等法

妊娠した労働者に対する解雇の有効性

ネギシ事件:東京高判 平成28年11月24日 労判1158号140頁

▪妊娠した労働者に対する解雇は無効であるとした原判決を取消し,解雇無効地位確認等請求及び慰謝料等請求を斥けた例

事件の概要 
 靴の製造、卸を行っているネギシ(以下,会社)の元従業員は、会社と平成23年7月1日、期間の定めのない雇用契約を締結し、営業部門に所属し(検品部門は社長を含め正社員2名、パート10名、営業部門は正社員8名、事務・経理部門は正社員1名、裁断部門はパート2名)、検品等の進行状況を確認するため、営業フロア(2F)から検品フロア(3F)に行き、検品部門の従業員に対し、命令口調で仕事を急がせたり、大声で叱責することがあり、検品部門の従業員に強い不安感を与え、退職する者も出てきていた。
 元従業員は、平成26年5月に妊娠が判明し、会社の代表者は6月にこれを認識した。
会社は、平成26年8月12日、元従業員に対し、解雇予告通知書をもって、9月30日限りで解雇する意思表示をした。
 解雇予告通知書には、社員就業規則40条3号「協調性がなく、注意及び指導しても改善の見込みがないと認められるとき」、および5号「会社の社員としての適格性がないと判断されるとき」に該当する旨の記載があった。
 元従業員は、会社に対し、会社がした元従業員に対する解雇の意思表示は、元従業員の妊娠中になされたものであり、妊娠を理由とするものであって、雇用機会均等法9条3項に反し、同条4項により無効であり、会社が妊娠したことを理由とする解雇ではないことを証明した(同4条ただし書)とはいえない。
 また、会社の主張する解雇理由は事実でなく、就業規則所定の解雇事由に該当しないし、仮に元従業員の勤務態度に問題があったとしても、就業規則は周知性を欠き無効であり、就業規則の変更に当たり、従業員の代表者の選任に民主的手続が取られておらず、少なくとも変更後の就業規則は無効であって、その条項に基づく本件解雇は無効であるなどと主張して,雇用契約上の地位を有することの確認並びに賃金等の支払を求めたところ、原審(東京地判平成28.3.22 労判1145号130頁)が、本件解雇は、解雇権を濫用したものとして無効であると判断し、元従業員の請求をすべて認めたため、会社がこれを不服として本件控訴を提起した(元従業員は附帯控訴をし、当審において不法行為に基づく慰謝料100万円等の支払いを追加主張した)。

裁判所の結論(本件解雇が有効であるとして原判決を取消し、解雇無効地位確認等請求を棄却し、慰謝料等請求を棄却した)
判示事項 1 
 元従業員の陳述及び原審における元従業員本人尋問の結果は、会社が提出した従業員のほとんど全員の陳述書や、多数の尋問結果に基づいて、その信用性は低く、採用できないとし、会社の主張する「協調性がない」という解雇理由を認めた。

判示事項 2
 元従業員が他の職員らに対してしばしば怒鳴ったりきつい言葉遣いや態度をとったり、叱責するなどしており、これに対し主として検品部門の職員らが強い不満やストレスを感じていたこと、このため,検査部門のパート職員が退職したほか、パート職員で検品部門の責任者は、精神的に追い詰められ早退したこと、会社代表者は、これまで再三にわたり、元従業員に対し言葉遣いや態度等を改めるよう注意し、改めない場合には会社を辞めるしかないと指導、警告してきたにもかかわらず、元従業員は反省して態度を改めることをしなかったこと等が認められ、元従業員をこのまま雇用し続ければ、他の職員らとの軋轢がいっそう悪化し、他の職員らが早退したり退職したりする事態となり、会社の業務に重大な打撃を与えることになると会社代表者が判断したのも首肯できるものであると認められ、元従業員については、就業規則に定める解雇事由に該当し、本件解雇につき客観的に合理的な理由がないとか、社会通念上も相当として是認できないとかいうことはできないから、本件解雇は、解雇権の濫用に当たるものではなく、有効である。

判示事項 3
 本件解雇は,就業規則に定める解雇事由に該当するためされたものであり,元従業員が妊娠したことを理由としてされたものではないことは明らかであるから,雇用機会均等法9条3項に違反するものではない。

判示事項 4
 会社においては、就業規則はタイムカードの近くに、仕様書のファイルと同じ棚に同ファイルと並べてクリアファイルに入れた状態で置かれており、会社の従業員が閲覧できる状態であったと認められるから、元従業員の就業規則は周知性を欠き、無効であるとの主張は採用できず、また、上記就業規則変更の際、従業員代表である者の意見書が添付された「就業規則(変更)届」が労働基準監督署長に提出されたことが認められるところ、就業規則の存在すら知らなかったし、その変更のための従業員代表を選出するという話を聞いたことはなく、その選出にも関与していないなどとする元従業員の供述は、信用性が低く、他に適切な裏付けとなる証拠が存在しないから、元従業員の変更後の就業規則は無効であるとの主張は採用できない。

最高裁が上告棄却
 平成29年7月4日付で、最高裁は、ネギシ事件の上告を棄却した。

雇用均等室の是正指導

  講ずべき是正措置

1.職場におけるセクシュアルハラスメントに関する相談窓口を設置し、相談に対応する担当者をあらかじめ定め、相談に適切に対応するようにすること。

2.相談者・行為者のプライバシーを保護するために必用な措置や、相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知すること。


是正報告

上記、是正措置について、チラシを作成し、掲示板に掲示する方法で周知・啓発を行った。
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間接差別や妊娠配転を禁止 改正雇用均等法が成立

 一見、男女平等に見えて、実態は片方の性に不利になる「間接差別」や、妊娠を理由にした職種転換の禁止などを盛り込み、差別を禁じる規定を強化した改正男女雇用均等法が15日の衆院本会議で可決、成立する。施行は来年4月。


中国新聞・社会:初版:6月15日6時14分続きを読む

均等法改正案を閣議決定

 政府は7日午前、間接差別の禁止や、妊娠を理由とした職種、配置転換などの禁止を盛り込んだ男女雇用均等法の改正案を閣議決定した。同日午後、国会に提出し今国会での成立を目指す。施行は来年4月の予定。

 間接差別は一見、性別に中立のようで、合理的な理由がないまま一方の性を差別する考え方。改正法案では、省令により(1)募集、採用で仕事と関係ない身長や体重(2)総合職の募集で全国転勤(3)昇進時の転勤―を要件にすることを禁じる、とした。

Sankei Web:(03/07 10:31)

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妊娠や出産理由の配転禁止

 厚生労働省は男女雇用機会均等法(均等法)の改正案をまとめた。妊娠や出産を理由にした不利益な配置転換を禁止することなどが骨子。18日の労働政策審議会の雇用均等分科会(分科会長・横溝正子弁護士)に提示する。年内に最終案をとりまとめ、2006年の通常国会に改正案の提出を目指す。人口減などを背景に進み始めている女性の活用を後押しする。


11月18日/日本経済新聞 朝刊

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